Sunday, September 14, 2008

経済は非常にいい


急成長に湧くバングラデシュ経済 インドの次はこの国か


 インドの劇的な経済成長と投資ブームに日本企業の関心が集まってい中、「世界最貧国」といわれ続けてきた隣国バングラデシュの経済が急成長を遂げている。バングラデシュ経済は過去10年間にわたり、年率平均5%以上の成長を記録、首都ダッカはかつては想像できなかったほどにインフラが向上、首都の商業地区ブルシャンは、まばゆいばかりのネオンサインが輝くに至っている。国際的投資顧問会社ゴールドマン・サックスはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く、次の最も有望な11の投資対象国の一つとして、バングラデシュを推薦するに至っている。(ベリタ通信=広井孝明)

 「経済は非常にいい。1971年の独立以来、こんな時代は初めてだ」。ダッカの地元経済紙記者は急成長を始めたバングラデシュ経済をそう評した。

 ダッカの街並みを見る限り、10年前は考えられなかったほどにインフラは急速に改善されており、道路は格段に整備され、電力事情なども、停電は依然としてあるが、背景には経済成長による急速な電力需要の伸びに供給が追いつかないという側面もある。

 ゴールドマン・サックスが今年出した報告書は、次なる急成長が期待される世界11カ国として、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナムの計11国を挙げており、その中でもバングラデシュに高い評価を与えている。

 日本におけるバングラデシュのイメージは今もなお「資源もなく災害ばかりに見舞われる世界最貧国」だが、インドやベトナムなど近年、日本企業が投資先として高い評価を与え始めた国にバングラデシュが続く可能性が出てきている。

 ダッカの複数の財界関係者は「外国投資家はインドよりバングラデシュを選ぶべきだ」とさえ自負する。

 まず、労働力コスト。バングラデシュの工場労働者の平均給与はなお50米ドル以下で、中国よりも安い。労働者の教育水準は、インドとほぼひけをとらない。

 インドと比べ、バングラデシュは国民の9割以上がイスラム教徒。宗教的多様性はなく、同質性の高い国だ。インドにおけるカースト制度のような、投資先としてマイナスに作用しがちな複雑な社会構造はない。

 治安面の問題はなく、何よりも競争国に比べて有利な点は、投資家にとって中国、ベトナムなど共産主義国との比較はもちろん、インドと比べても「許認可をめぐる官僚制度の障害が少ない」(ダッカ在住の外国投資家)点が挙げられている。

 さらに、インド経済ほど注目されていない現在、外国投資家は事実上の「VIP待遇」を受けられるという利点もある。

 日本企業の進出はまだほとんどないが、中国、米国、中東の産油国は続々とバングラ進出を始めており、バングラ財界でもその動向は大きな関心を集めている。

ベリタ通信 / 提供元一覧




別窓 | 社会問題全般 | top↑
| 砂漠の兵士 |

No comments: